ここまでご紹介したファクタリングとは異なるサービスである保証ファクタリング。保険的に使われるという側面や取引金額が膨大になるといった特徴を持ち、業種によっては国からの助成金が出るようになっています。
ファクタリングは買取ファクタリングと保証ファクタリングの2種類に分けることもできます。一般的にファクタリングというと企業の持っている売掛債権をファクタリング会社が買い取り、ファクタリング会社からその債権の信用力に応じて資金を受け取ることを言います。これが買取ファクタリング。
保証ファクタリングとは売掛債権をファクタリング会社が買い取るのではなく、売掛債権に保証会社の保険を掛けるのです。通常、買取ファクタリングでは企業の資金繰りが厳しいときに資金を早期に回収・調達したい場合に利用されます。それに対し保証ファクタリングは資金の調達が目的でなく、取引先の貸し倒れによるリスクを避けるために取る手段のこと。信用力の低い新規顧客や倒産のリスクを持っている企業と取引を行なう際に、取引先の売掛債権に保険を掛け、貸し倒れのリスクを取り払うことができるのです。
この保証を掛けておくことで、取引企業の倒産で売掛金が回収できなくなった場合に保証会社が変わって保証金を支払ってくれます。
一般的に、取引先の企業へは売掛金に保証を掛けていることを知られずに取引を続けられますので、企業側・取引先の双方にメリットのあるサービスと言えるでしょう。なかには取引企業の支払い遅延も補償の対象としているファクタリング会社もあります。
取引先への貸し倒れや倒産などで被害を受けてしまうのは与信管理が不足していることが理由の一つ。保証ファクタリングを行なうことで、取引先による貸し倒れを予防する策として必要な与信管理を保証会社に任せてしまうことができます。
定期的に取引企業の情報収集を実施して動向を管理、企業の評価を実施するサイクルをファクタリング会社が行ない、この信用調査・情報提供機能を利用して低コストで与信管理が可能になります。企業に代わって保証会社が与信管理を行なうことで、新たな顧客の開拓に注力することも可能になります。
取引実績の無い企業に対しても貸し倒れのリスクを避けながら新規に取引を行なえます。
国土交通省による下請債権保全支援事業による中小企業の雇用・経営安定化、連鎖倒産を防ぐ処置によって建設業者、資材業者は国の助成を受けることができ、保険料率が低くなります。
保証料率はおおむね2%~8%となっており、売り上げ債権が100%回収できるので利用価値は十分にあるといえるでしょう。
ファクタリング会社が企業に代わって与信管理を行なってくれます。
売掛金を早期に現金化・資金化できるわけではありません。取引先が倒産・支払いが遅延した場合でないと支払われないシステムです。
基本的に取引企業には知られないようファクタリングを行なうことができますが、万一知られた場合は取引先の信用を失いかねません。
国土交通省が建設・資材関連業者による連鎖的な倒産を防ぐためにつくった助成制度です。ファクタリング会社が支払い保証を行なうことで下請け・孫請け企業の連鎖的倒産を防止。国が保証金の一部を負担してくれる制度です。ピラミッド構造となっている建設業界における下請け・孫請け企業のリスクヘッジを国が支援しています。
要望新規顧客の開拓を始めたいが顧客情報の情報が少なくリスクを感じる。取引金額の規模をどのあたりに設定して始めたらよいか分からない。
保証により不安を感じることなく取引をすすめられました。新規の顧客を獲得できただけでなく、継続して活発な取引を行なえています。
取引先の建築業者が倒産。売掛金の債権が残り、その回収が困難に陥りました。全額回収できるかどうか分からない状況で長期間債権を管理するのも大変です。
債権を保証会社に譲渡して債権の管理から解放されました。保証会社の対応も早く、当年の決算もスムーズに行なえました。
取引先の業績が悪化。売掛金が回収できるのか心配になってきたが、長年の付き合いもあり取引を断るのも難しい状況です。
得意先に保証ファクタリングについて知られる事無く、取引を継続できた。
これらが保証される条件になります。保証会社によって、取引企業による支払い遅延があっただけでは保証事由にあたらない点に注意しましょう。
支払いサイトの長い取引を行なう企業に向いています。建設業や資材業者で業務が長期にわたるため売掛金がなかなか受け取れない企業の場合、大口の取引先が倒産してしまうと関連企業も連鎖的に倒産を起こす事態が考えられます。
規模の大きい取引を行なっていて取引先の貸し倒れの可能性があり、会社の経営に大きな影響が出てしまう場合に有効です。保証ファクタリングは保険的に使われるため、あまりメリットを感じられないサービスだと思われがちですが、建設業を中心に利用されることの多いサービスです。
保証ファクタリングを提供している企業は多く、各社のサービス内容にも違いがあります。自社に合う保証ファクタリングを、スムーズに選ぶためには、各社の特性について知っておかなければなりません。
みずほファクターの保証ファクタリングには、3つの種類が用意されています。こちらでは、保証金額などを記載していますが、信用情報によって変わりますので、目安として考えてください。
取引履歴がある支払い企業の中から、10社以上を選択して保険をかけるサービスです。保証は一括で行われますが、保証限度額や保証料率などは、その取引先によって変わります。保証金額は合計5,000万円以上で、保証期間は1年間です。
5社以上から個別に保険をかけることができるサービスです。その1社に対して継続的な保証もできますが、手形ごと、売掛金ごとに、一件からの利用も可能。保証金額は1社200万円以上で、保証期間は利用するときに任意で決めます。
下請け建設企業や資材業者に向けたサービスです。下請代金に対して、債権ごとに保険をかけます。1社から利用可能ですが、利用するには資本金や従業員数などの条件があります。保証金額に制限はありません。
ポートフォリオ型ファクタリング(保証)では、保証対象先は20社以上からとなっています。複数の取引際を包括的に保証するもので、保証料率に関しても、それぞれの販売先から算出した保証限度額を平均した料率です。そのため、全ての販売先が同じ保証料率となります。
保証期間は1年以内で、リース債権や貸付債権、債権の回収までに1年以上が必要な債権、既に支払いが遅れている債権などは保証対象外です。
販売先1社ごとに保証限度額を決める個別取引で、少額からでも利用可能な保証ファクタリングです。低コストで売掛金に対するリスクを軽減できるので、手軽に安全を買うことができます。
このサービスの特徴的な点は、審査の与信調査情報を受け取ることができるという点です。保証ファクタリングの利用を開始する際に、りそな決済サービスが行った審査の情報を知ることができるため、調査情報を今後の社内与信に活かせます。
これは、今後の経営を安定させるためにも、大きなメリットだと言えるでしょう。
三菱UFJファクターの保証ファクタリングは、柔軟性が高いという特性があります。保証は販売先1社から始めることができて、新しい取引先が増えた場合、随時保証を追加することが可能です。さらに、保証限度額は販売先毎に決まり、取引の増減によって、保証限度額を見直すこともできます。
また、三菱UFJファクターには「国際ファクタリング」もあり、海外の取引先にも対応しているので、安全に輸出取引を行えるようになります。国際ファクタリングでは、支払いが90日以上遅れた時点で利用可能です。
出光クレジットの保証ファクタリングは、保証対象が1社から開始できるので、手軽に利用することができます。保証限度額は1社あたり100万円以上からで、保証限度額内の売掛債権を100%保証可能です。
また、この保証ファクタリングの特徴的な点は、取引先の情報が変化したときに、アラーム情報として教えてもらうことができるという点です。取引先の状況が悪化してきた場合も、すぐにその情報を知ることができるため、より安全な取引を行うことができるようになるでしょう。
保証ファクタリングは、売掛先の倒産リスク(貸し倒れリスク)回避に特化したファクタリングサービス。売掛債権を買い取ってもらう一括ファクタリングとは異なり、売掛債権に万が一のための保険をかけるという形となります。急な資金調達が必要な企業でなくても、貸し倒れによるダメージが心配な場合は、リスクマネジメントの1つとして検討してみると良いでしょう。
また、保証ファクタリングを利用する際、ファクタリング会社は売掛先に返済能力があるかどうかを調べる与信調査を行います。もし問題が発覚すれば依頼主に報告してくれるため、与信調査の代わりとしても利用できるのです。この与信調査・与信管理を低コストでアウトソーシングできるという点でも、保証ファクタリングを利用する価値はあるでしょう。
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