広告業・IT企業
広告業では、クライアントに成果物を納品後、代金が支払われるまでにタイムラグが発生します。しかし、広告やホームページなどの制作にかかる費用は、先に払わなければなりません。手形で代金を決済することが多かった広告業界でも、掛け売りが主流になりつつあり、広告事業者がファクタリングを利用するケースも増えています。ここでは、広告会社やIT広告会社の売掛金債権の買取事例をご紹介します。
ファクタリングで経営危機を克服
かつて広告代理店は新聞や雑誌などの紙媒体を使って広告宣伝をしていましたが、今はネット広告なしではやっていけない時代。ネットへ進出する広告代理店が増えています。
紙媒体からネットへ移行する時に先行投資が必要になりますが、資金繰りに失敗すると、経営が悪化することがあります。
売り上げが減少し、銀行に融資を相談したけれども、税金を滞納していたことが発覚して融資を断られる。そんな時でもファクタリングを利用すると資金調達でき、経営危機を克服することができる場合があります。
年末の資金不足をファクタリングで解決
新聞や雑誌や電車の車内広告など、紙媒体を主力に営業してきた広告会社は業績を落としていますが、企業のホームページ制作や、SEO対策を請け負う広告会社は受注を増やしています。しかし、ネット広告会社も入金が多い月と少ない月のギャップが激しく、資金繰りが安定しないことが少なくありません。年末のクライアントの入金が延期になり、ボーナスの資金足りないというようなケースでは、いくつかのファクタリング会社から見積もりをとり、一番いい条件の会社を選択して、資金不足を解決するという手もあります。
ファクタリングで経営危機を乗り切るケース
今、主流になっているインターネット広告の1つに「リスティング広告」というものがあります。ユーザーが検索したキーワードに連動して掲載される広告で、クリックされなければ報酬が出ないしくみになっています。広告業者は先に広告費を支払いますが、広告主が報酬を支払うのはクリック数が集計された後なので資金が足りなくなることがあります。そんな時は銀行やノンバンクは審査に時間がかかるので、ファクタリングを利用して、資金調達を行うという選択肢があります。
広告会社は紙媒体・Web媒体に関わらず、しばしばクライアントから入金が遅れるため、資金繰りの厳しい業界ともいえるでしょう。しかし「掛け払い」であるため、売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらって、資金調達ができるメリットがあります。
(2級FP技能士・AFP)
大阪府出身。大手金融機関で企業年金試算を担当。22年の夫の母の介護でお金の問題に悩み、FP資格を取得(2級ファイナンシャルプランナー)。FP Womanの『女性のための「お金」と「人生」に効くコラム』をはじめ、複数のメディアで「ライフプランニングとお金」をテーマに執筆活動中。