小売業
小売り業の特徴は「流行や気候によって売上が大きく変動すること」「在庫が増えれば仕入数が制限されること」「価格競争が激しいこと」「仕入れ額が為替変動の影響を受けること」などがあげられます。また、クレジットカードの普及で手数料負担も増大し、ネット通販も当たり前のようになってきた変化の激しい業界と言えます。
「取引先の突然の倒産」「商品が予想以上に売れたが、追加発注の資金が足りない」など、銀行の融資が間に合わない時、ファクタリングでリスクを回避することも検討されるとよいでしょう。ここでは、小売業のファクタリング事例を紹介します。
スポットの依頼を受注、増大する仕入れ費用をファクタリングで解決
大手企業から期間限定で商品の納入を受注した小売業のケース。既存の取引先からの受注増加と重なって、仕入れ資金が不足してしまいました。スポットの受注は大きなビジネスチャンスですが、いつ受注できるのかは予測がつかないため、資金繰りに苦しむことがあります。そこで、売掛金を買い取り、即日入金対応できるファクタリングを導入。仕入れ資金を調達して、チャンスをつかみました。
インターネット通販に進出するためにファクタリングを活用
今はネット時代。これまで実店舗だけで営業を続けてきて、ネット販売に乗り出す小売業者も少なくありません。ネット通販に必要な撮影機材、ネットショップモールへの出店費用、クレジットカード・コンビニ後払いなどの決済事業者との契約、レンタルサーバー、ホームページ作成費用など、100万円を超える初期投資が必要です。審査や手続きに時間がかかる銀行融資ではなく、スピード重視でファクタリングを活用するという選択肢もあります。
為替相場へのリスクヘッジにファクタリングを活用
日本の店で売られている生活雑貨や日用品は、海外で作られた製品が増えてきています。海外から生活雑貨や日用品を輸入して薄利多売で販売する業者にとって、急激な為替の変動、特に円安は仕入れコストを押し上げるため死活問題になります。ある程度しっかりした売掛金があるのなら、資金調達のスピードが速いファクタリングを選択肢に入れてもよいでしょう。
為替の変動、流行、取引先の動向、仕入れ、在庫など、変化の激しい小売業者にとって、最短で即日入金されるファクタリングは、急な資金調達の手段として活用できるものですが、よい業者がいる半面、手数料が不当に高い悪質業者もいるので、ネットできちんと情報収集した上で、業者を選ばれることをおすすめします。
(2級FP技能士・AFP)
大阪府出身。大手金融機関で企業年金試算を担当。22年の夫の母の介護でお金の問題に悩み、FP資格を取得(2級ファイナンシャルプランナー)。FP Womanの『女性のための「お金」と「人生」に効くコラム』をはじめ、複数のメディアで「ライフプランニングとお金」をテーマに執筆活動中。